アメリカ国務省の付属機関の調査によると、日本語の話し手が英語の日常会話に不自由しない会話能力を習得するには合計で2000時間以上かかるそうです。 しかし、日本の中学・高校の英語総授業時間数は約800時間しかありません。
6年間一生懸命勉強したとしても、必要時間の3分の1です(さぼっていた人はもっと少ないです)。
ですからうまく話せなくても当然! そこで、手持ちの英語を使って「何とかコミュケーションする」ためのヒントをいくつか、ここに掲載します。
1 1日数分、何か声に出して言う、あるいは書く(「話せる・書けるようになりたいなぁ」と思っているだけではダメ)
2 あいさつと呼びかけ はできるようにする
3 単語1つから始める
4 単語1つから2つへ 便利なことば ”Please” と ”OK”
5 言葉のやりとり (簡単な「キャッチボール」から始めて、複雑な「ラリー」へ)
6 英語でやりとりをする際のヒント
7 英会話・チャットで使える便利な表現・決まり文句
8 獣医師の英語・英会話 お役立ちサイト
1 英語を話す・読む・書く・聞く練習は、スポーツや楽器演奏のための練習や訓練と同じ:1日5分でもOK、やらないよりまし
これまで皆さんは、声に出して英語を話したことはありますか?
中学や高校の授業で音読はしましたか?
文章を暗記して発表したことはありますか?
齋藤孝著「からだを揺さぶる英語入門」(角川書店)には「英語はスポーツだ!」と、次のように書かれています。
英語は学校の教科の1つになっているので、机で勉強する科目と捉えられがちだ。しかし、英語の学習は本当は、スポーツや楽器の演奏に近い・・・日本の英語の授業で は、声をだす回数が少ない。これは野球の練習で言えば、1日に球を10球打つ程度の練習にあたる。数百球単位で打つのとは差が開くのも当然だ。まずは立ち上がって・・ 元気よく声を出す。そして大量の反復を行なう。
「英語を話せる・書けるようになりたい」人は、とにかく1日5分でよいので英語を口に出して・書いてみましょう。教科書や本や雑誌を音読しても・写しても、テレビやビデオで流れる英語をそのままオーム返しに言っても・書いてもよいです。
2 「英語でコミュニケーション!」の第1歩ーあいさつと名前のよびかけ
英語コミュニケーションの達人は、人の名前をすぐに覚えて、会話の中でよく使います。
親しくなったら、目上の人とでもファーストネームで呼び合うことが多いですし、名前にはよくニックネームが使われます。
よくある英語の名前については、こちら を見てください。
3 まずは単語1つから
むかしむかし、多くの皆さんが生まれる前、「発掘!あるある大事典」という番組がありました。その第190回 (2000年7月9日(日)放映 )の特集「英語を話せるようになるコツ」の内容を一部ご紹介します。
*****
64ヶ国、約20億人!! この数字は英語が主要言語という国と人口の数! 実に世界の3人に1人が使う共通言語、それが「英語」!日本はデータを見るだけでは英語の教育大国! なのに…。
What is your job?"(お仕事は何ですか?)
「あー、販売員…洋服の。」
"Humburger?"(ハンバーガー?)
「ハンバーガーじゃないです〜。」
大学までに1300時間の授業。教え込まれる、8000もの英単語。(アメリカで日常会話で使われる単語は5000語)。データを見るだけでは英語の教育大国! なのに…。
英会話はまるでダメ。話すどころか聞き取ることも出来ない(街をみればカタカナ語であふれているというのに)。
日本人の英会話がうまくいかないのは単語がスラスラ出てこないからなのだろうか?・・・
「あるある大事典」ではこのような疑問をもとに、東大生と小学生があるモノ(=トマト)を形や色だけなどで英語で説明し、それが何なのかを外国人3人に当ててもらうという対決を行ないました。
[東大生] 「There is a lot of water in it.」(たくさんの水分が含まれています)
「Very very little seeds in it.」(とても小さい種が入っているモノ)
しかし、説明が複雑すぎたのか、外国人全員がバツ。
[小学生] 「Red.」
「It's in Salada.」
「Juice.」
英語を習いたてなので、塾で習った簡単な英語だけで説明。 でも、外国人全員が正解!これだけで伝わってしまった。
他のモノで試しても結果は同じ。英会話には難しい文章や会話は必要なかった!
4 1語から2語へ: 超便利な単語 Please と Let's とOK
単語や身振りにPleaseをつければ、簡単に「お願い」でき、Let'sは「お誘い」(場合によっては命令)、OK(okay)をつければ「確認」できる。
PLEASE!
相手に何かを頼もうとして、"Would you mind giving me a cup of coffee?"(コーヒーを1杯いただけませんでしょうか)のような文法的に正しい長いセンテンスを組み立てようとすると、かえって相手に通じないし、文章を考えている間待っている相手も疲れてしまう。したがって、たとえば"Coffee."という単語に絞って、その後に pleaseと付け加えて "Coffee, please."とすれば、"Give me a cup of coffee." "I want some coffee."より丁寧なお願いの表現となる。
身振りをつければ次のように応用もきく。
Your name card please. 名刺をください。(手を差し出しながら)
That building please. 向こうの建物に行ってください。(建物を指さしながら)
Picture please. 写真をとってください。(カメラを渡してシャッターを押すまねをしながら)
● ふたたび「あるある事典」から 英会話を勉強しているOLチームと、海外経験のない熟女(=オバサマ)チームが レストランで対決。
外国人のウェイターにワインを注文する。
【OLチーム】
I'd like to have glass of white wine. (白ワイン下さい)
ここで友人が忠告。 「グラス二つなんだから、twoって言わなきゃダメなんじゃない?」
I'd like to have glass of white wine,two glass. (白ワインをグラス2杯下さい)
だんだん文章が長く、複雑になっていく。でも通じない。
【熟女チーム】
Wine please. (ワインお願いします)
White please. (白、お願いします)
(外国人のウェイター)"Oh,I see."(かしこまりました)
これだけで通じた!
OKAY!
同様に、単語にOKを付け加えれば、合意、確認、納得となる。
(買い物をするとき)Credit card, Okay? (Can I use my credit card at this restaurant?)
(友達をランチに誘う)Today・・・l want lunch・・・ McDonalds, Okay? (We are planning to have lunch at McDonalds today. Is it OK with you?)
5 単語を中心としたやりとりのチャットへ―ことばのキャッチボール―
テニスやピンポンなどの球技を想像してみましょう。始めたばかりの頃はボールを近くに、しかもゆっくりしか打てませんし、ラリーも思うようには続きません。でも練習するにつれて、だんだんボールが遠くに届くようになりますし、ラリーも続くようになります(だんだん楽しくもなります)。さらに練習を積み重ねれば、速球(スマッシュ)や変化球もマスターし、たまにはフェイントをかけたり、十分にボールをコントロールしたりできるようになります。
英語でコミュニケーションしようとする際にも同じことが言えます。まず近くをねらって(単語1つや短い文章で)、ラリーが続くような(質問と回答が続けられるような)ところから始めてみましょう。 「チャット」(Chat/chatting)はもともと、「軽い会話、おしゃべり、雑談」という意味です。そして今ではChatもカタカナの「チャット」も、コンピュータや携帯でのリアルタイムでのメッセージのやりとりを指す場合が増えています。オンラインのチャットだと時間上の制限、また携帯のメールですとスペース上の制限(携帯だと画面が小さい)があって、それほど面倒な文章を書けませんから、英語があまりできなくても、単語を並べただけでも、やりとりを楽しめるでしょう。 去年あたりからはやりだした、Twitterも140語しか使えないので、いいかも。英語のチャットやメールでも、日本ほどは華やかではありませんが、言葉をおぎなう絵文字や略語が多く使われます。
たとえば
<g> Giggle=クスクス笑い に由来します。
OMG: "Oh my God!" 「うっそー!、しんじらんない」
LOL "Laughing Out Loud" で「大笑い」または(爆)。
24/7 24hours/7days で、「いつでも・年中」
例) u(=you)play 24/7? ずっとプレーしてんの?(ゲームのチャットで)
ASAP "as soon as possible" で 「できるだけ早く」。
例)Help please, ASAP! (早く、助けて! たとえば、誰かに何か質問する、切符を買って!など)
FYI "For Your Information " で 「ご参考までに・参考にしてね」
IMO "In my opinion "
「スマイル」は日本語では(^_^)などですが、英語は :-)、悲しいときは逆 :-( になります。
日本の顔文字と英語の顔文字の一番の違いは、 「多くの英語の顔文字は顔が横倒し」になることです。首を左に90度曲げてみてください、ヒトの顔に見えませんか?
:-) :-( :D :ーP
6 英語でやりとりをする際のヒント
@ 質問のしかた − 語尾をあげる 語順をひっくりかえさないでも、You/Your .. ?? と尻上がりに言うと質問になる。また5W1Hをうまく使えば、何通りかの質問ができる。
(Q はquestion A はanswer)
カンタンな言い方 学校で習うような文法的に正しい言い方 Q:Your school name ? What is the name of your university/college? (学校名は?) Q:You study, what ??(専攻は?) What are you studying/majoring in ? Q: You live where? Where do you live?
A 発音は気にしすぎない、ただしイントネーションには注意。
口を上下前後に 「立体的」に動かして、日本語よりはっきり話す。 "L"と "R"、"Th"と "S"、"B"と"V"、"F"と"H"を混同してしまうかもしれないことは、 頭に入れておく。
B 単語をひとつでも聞き取る
一方的に話せても、聞き取るのは難しい。とにかく単語1つを聴き取ることから始める。
会話で相手の言っていることがわからない場合は、次のように対処する。
相手が早口だったら. (Speak) Slowly please. ゆっくりお願いします。
内容がわからないときは、 I can't understand. わかりません。
もう1度言ってほしいときは、 Again, please. すみません、もう1度。
いくら聞いてもわからなければ、 Write it please. すみません、書いてください。
C知識・常識を身につける
知らないことは聞いてもわからないが、知っていることならば、単語から何となく推測できる(通訳の仕事をする際は、事前に徹底的に勉強して準備します)。
D オウム返しの効用
もう1つヒアリングで有効なのは、相手に長々と話させないで、少しずつ区切って、聞き取れたことをそのままオウムがえしにすること。それによって自分が聞き取れているかどうかが確認できるし、聞き間違いがすぐに訂正される。Right, Yesなどを繰り返せば、気持ちも共有できる。
相手:I went to the Tokyo Motor Show yesterday. 昨日モーターショーに行ってきましたよ。
自分:(I went toまで聞き取れたら) You went to what? [To what?] どこですって?
相手:Oh, to the motor show ほら、モーターショーですよ。 You know Makuhari Messe in Chiba? 千葉の幕張メッセ、ご存じでしょう?
自分:Yes, I know. ああ、あれね。
うまくオウム返しをした例
E 英語で言えることを準備しておく
日本人が英語を話せない理由のひとつに、「何を話せば良いのか解らない」、「自分の考えがはっきりしていない」ことが挙げられます。とりあえず、自分について、好きな動物、食べ物、音楽、スポーツ、映画、バイト、家族、など身近な話題から、少しずつ言えることを増やしていきましょう。
シャドーイングの例
7 英会話・チャットで使える便利な表現・決まり文句
あいさつ Hi, Hello、Bye, See you
基本語
Yes /No, Right (うん、ううん、そう)
Maybe/Maybe not (たぶんそう、たぶんちがう)
(5W1H)Who/Where/What/When/Why/How(だれが、どこで、何を、いつ、なぜ、どう)
Please!
OK!
Thank you/ You're welcome (ありがとう・どういたしまして)
Excuse me (道を歩いていて相手にぶつかったとか、電車で先に乗ろうとしてしまったとかの時の謝罪や、誰かを呼ぶ時、落し物をした人に呼びかける時、相手に聞き返す時に使う)
Sorry(自分の不注意・過失を謝罪する時に使う。使い方に注意!)
I need 〜(〜が必要)
I want 〜 (〜がほしい、〜がしたい 口語的には I wanna)
I am going to 〜 (〜するんだ 口語的には I'm gonna)
I have to 〜 (〜しなきゃ 口語的にはI hafta)
肯定的
ほんと? Really?
そう、ほんと? Oh yeah?
そのとおり! 当たり! Bingo.
やったぁ I (You) did it!
ホント、そうだよね You're right.
すごーい Great! Wow! Hurray! Cool! (Coolは、チョー、マジ、ヤバ並みに便利なことば)
それ、いい(じゃん) It's cool. Cool.
そうかもね Could be.
さあ (I) dunno
いいんじゃん Sounds good
いいよ Nice. That's nice.
すごっ(まじ、やば) Awesome
どうぞ Go ahead.
おいしーい It's good! Delicious!
喜んで! どういたしまして My pleasure.
よくやったね(がんばったね) Good job.
よかったね(いいことを聞いた) Good to hear that!
もちろん・絶対そう・そのとおり Absolutely.
おどろき 信じられない! I can't believe it!
まさか!(そんなわけないでしょ) No way! It's impossible!
ほんと(ウソー)? Really? Are you sure? Is that true?
ほんと、そうなの? Is that so?
うそ!、まさかぁ You're kidding.
びっくりした(すごいじゃない) What a surprise!
えーっ! Wow! Oh my!
あらまあ Oh, my! Uh, la-la!
世の中って意外と狭い It's a small world!
まさか、そんな No, way!
おっと、やっちゃった uh-oh
動作
はやく・急いで Hurry up!
おいでぇ! Come on.
止まれ! Stop! Freeze!
待ってぇ Wait!
助けてぇ Help!
否定的
たいくつ・つまんない Boring.
わかんない・なんで I don't understand
(頭がこんがらがって)わからない I'm confused.
関係ないもん(関係ないでしょ) None of my(your) business.
どうでもいいもん I don't care.
おっと! しまった! Oops! Oh no!
おっと、やっちゃった Uh-oh
頼むから、お願いだから Please!
彼とうまくいってないの I'm not getting along with him well.
彼とは別れたの We broke up.
我慢できない・もうイヤ I can't stand it.
ムカツく " I hate it. It's awful.
ほっといてよ Leave me alone.
面倒くさい It's a pain. What a pain.
お疲れさま 残念だったね。 That's too bad.
やれやれ Good grief (Charlie Brown)
かわいそう How sad (Poor thing)! I feel sorry for〜
だから、言ったじゃない I told you.
励まし
ほらほら(e.g.言って/やってみたら) Come on.
ぼちぼちいこう(あせらないで) Take it easy!
心配しなくていいの Don't worry!
元気出して Cheer up!
やってみようよ Let's try it.
がんばって Good luck.
きっとできるよ You can do it.
会話を続けるつなぎの言葉
教えて Tell me.
あなたの番よ It's your turn.
それからどうしたの? Then what?
なんで、どうして? How come?
最後に
さよなら! Bye!
じゃ、元気でね、気をつけてね。 Take care.
勉強しすぎないでね。無理しないでね。 Take it easy.
じゃ、またね。 See you later. So long! Take it easy.
よい一日(週、休暇)を! Have a nice day/weekend/vacation….!
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